大手広告代理店が、日本人の7.6%がセクシュアル・マイノリティだと推計した。体の性、心の性、好きになる性、表現する性…。いくつもの要素からセクシュアリティを考えることができるという。けれど、それはまた新しくディジタルな境界線を引くことなのかもしれない。
ただお洒落がしたくて女装をはじめたら、いつのまにか男の人に恋をしていた。素敵な女の子に一目惚れをしたら、彼女は彼で、私は女で…。ドキュメンタリー映画『恋とボルバキア』の登場人物たちがおしえてくれるのは、私たちの性は、実はとても曖昧でカラフルで、混沌としているということ。そして、そのぶんだけ、恋や夢や、幸せのかたちも、抱えてしまう生きづらさも、限りがない。
本作は、衝撃のセルフドキュメンタリー映画『アヒルの子』でデビューした小野さやか監督の最新作。プロデュースを手がけたのは、『FAKE』『Ryuichi Sakamoto:CODA』などの橋本佳子。ときにキャメラは、恋人たちの親密な時間や気まずい葛藤の場面を映し出す。好きになったら、嫌われたくない。一緒にいたい。結婚したい。赤ちゃんだって欲しくなる。「みんなちがって、みんないい」って、